ＤＭＣＣＳ
日米欧総合安全保障議員協議会 NATO Parliamentary Assembly
05-07号
会報 |
「ウクライナ関連ニュース（2023.7）」
7月23日、ブリンケン米国務長官は、「ウクライナはNATO加盟国等による武器等の支援のもとで、6月に開始した反転攻勢作戦によって、当初ロシアに占領された地域の50％をすでに取り戻した」と述べましたが、反転攻勢は序盤の段階にあるとされております。ウクライナ側はクリミア大橋およびクリミア半島への攻撃を含む南部での前進、東部戦線のバフムトの半包囲および高地奪取等の成果を収めていますが、他方で、ロシアは東部戦線に対して新たな攻勢を行うための大規模な兵士の集結を行うとともに、穀物合意から一方的に離脱し船舶によるウクライナからの穀物輸送を妨害すべくオデーサの港湾施設への攻撃を激化させています。ウクライナはこれまでに南部の幾つかの村と、東部ドネツク州バフムトの周辺地域を奪還していますが、大量の地雷原や強固な塹壕陣地で防御されたロシアの強力な防衛線の大規模な突破は果たせていません。
一方で、ロシア国内においては、プリコジン氏の反乱に代表されるような反政府勢力による活動も散発的に発生していますが、プーチン大統領の強固な権力基盤を揺るがすような決定的なダメージを与えるまでには至らず、これまでのところでは抑え込みが奏功している状況のようです。
ウクライナは領土を回復するまでは決して停戦しないと思われますし、プーチン大統領も大きな戦果を得ることなく引き下がれない状況であり、長期戦は避けられないと予測されております。
今回の会報では、「7月におけるウクライナ関連のニュース」に加えて「7月に開催されたリトアニア（ビリニュス市）におけるNATO首脳会議関連のニュース」も掲載しました。難航していたスウェーデンのNATO加盟は確実なものとなりました。ウクライナが希望していたNATO加盟への道筋は示されませんでしたが、G7によるウクライナのための永続的な安全保証支援を巡る枠組みについて合意がなされ一定の評価がなされている状況であります。
ご参考のため配布します。
令和5年7月
幹事長兼事務局長 長島 昭久 衆議院議員の命により
日米欧総合安全保障議員協議会事務局
以下、会報『05-07号』（会員等に限定配布）のとおり。